2010年9月13日月曜日

烏骨鶏のたまご

では「おちこぼれ」とはいったい何なのか? 「おちこぼれ」の正体は?

実はそんなものはもともと存在しない。少なくとも私はそう思っています。

私は「おちこぼれ」は「烏骨鶏のたまご」のようなものだと思っています。

烏骨鶏のたまごは栄養価がとても高い高級な卵である。しかし、この卵、なかなか割れません。ゆで卵にしても殻を剥くのに一苦労します。

とにかく、ニワトリの卵に比べ殻が固くて厚いのが特徴です。

烏骨鶏は卵から雛がかえる時、雛は自らの力で生まれてきます。

卵を抱く親鳥にしっかり21日温められた卵は、雛は自らの力で生まれてきます。このたまごは中からしか割れません。
外からは親鳥がつついても殻が固く割れないのです。重要なのは卵を抱く親鳥の愛情なのです。

この愛情で烏骨鶏が生まれるのです。

「おちこぼれの心」は「烏骨鶏のたまご」と同じで外から割ることは出来ません。

この殻を割るキーワードは愛情です。決して、おちこぼれ達が両親の愛情や家族の愛情を受けていないといっているわけではありません。

ただ1つ言える事は、「誰かに褒められた」普通の人に比べて、回数が極端に少ないのです。他人から褒められることはめったに経験していません。


すなわち、少年時代や思春期に心を暖めてくれた人が、普通の人より極端に少ないのが特徴なのです。

彼ら彼女らはまだ卵の中にいて、孵化していないのです。これを「お前はダメだ!」「とにかく頑張れ!」と言って卵をいくら叩いても、割れないのは当然なのです。

年数とともに、殻はより厚く、より固くなっているのです。

卵の中を必死にのぞいて長所を見つけて「褒める」しかないのです。

最初は「褒めて、褒めて、褒めまくれ!」というのが私の結論です。

一方、エリートたちは大抵の場合、少年期から褒められて育っています。

エリートたちが少年期から親、兄弟、家族、先生、友人、他人に「褒められた回数」を想定して、褒めて、褒めて、褒めまくればいいのです。

長所を見つけるのは少々大変ですが、あとは褒めるだけでいいのです。

そうすれば人間の躍動力というくちばしで自らが固い卵の殻を割って出てくるのです。

この生命力は活用次第ではすさまじい力になるのです。


対人恐怖を最短で克服するための【KRTプログラム】

2010年9月10日金曜日

不器用な人ほど「信じる力」が強い

彼女の家には小さな仏壇があった。見たところ浄土真宗らしい。


私は彼女に親鸞聖人の『正信偈』を読むことを薦めた。

最初、私がお経をあげ、彼女が続いた。クソ真面目な性格は、不器用にも何の疑いもなく、必死で『正信偈』に没頭したのだ。

このようなタイプの人間は誰よりも信じるという能力に長けている。今では家族全員で『正信偈』をあげているようだ。この信じる能力は異常なほど短期間に彼女に成長をもたらしたのだった。

スピード性はないが、クソ真面目で不器用な人ほどお客様からの信頼も厚い。反対にお客様が彼女を大事にしてくれるのだ。毎日、不器用にゆっくりとお客様に当たっていったのだ。

2010年9月6日月曜日

不器用こそが成功の鍵

彼女は長年、自分の性格を呪っていた。このクソ真面目な性格を嫌で嫌でたまらなかったのであろう。そして、決してきらびやかではない自分の家庭や家族を呪い、またきらびやかな他人をも呪っていた。


事実、世の中で大成する人は不器用な人間のほうが多い。

30分ほど泣き崩れた後、彼女は「私は明日から何をすればいいですか?」と静かに聞いてきた。5歳児ほどの少女の目だった。

しばらく考えた後、「ダイヤモンドに勝るあなたのクソ真面目な性格と不器用を生んで育ててくれた両親に感謝することから始めましょう」と私は言った。

彼女はまた号泣した。

2010年9月3日金曜日

おちこぼれは自身の長所を知らない。

彼女を近くのレストランに誘い、話をする時が来た。


「実は、あなたの長所を見つけたよ! とてもすごいものだよ!」

彼女は最初は不振そうにしていたが、真剣に聞いてくれた。

「何百カラットのダイヤモンドより価値があるからよく聴いてね!」

「長所の話をする前にあなたは不良的カッコよさにあこがれていたね!」

「きらびやかな生活にあこがれていたね!」

答えはいずれもYESだった。

「あなたの長所はクソにクソがつくほどクソ真面目だといいことだ!」

「そして誰よりも不器用だということなんだ!」「これが長所だよ」と教えた。

よくある話だが不良的な世界では、真面目と不器用ほどバカにされるものはない。

こういうタイプはいじめに合いやすく、仲間はずれにされやすい。

彼女はしばらくこんな話を涙をいっぱいためながら聞いていだが、突然、号泣した。

産まれて初めて、彼女が「自分を発見した瞬間」であった。


対人恐怖を最短で克服するための【KRTプログラム】

2010年8月30日月曜日

劣等感の克服力 『おちこぼれ店長の奇跡』  

私が30代前半の時、一人の女子社員が入社して来た。


とてもまじめな女性であることは認められたものの、何処となく目の中に「反発」を持っていた。社会に対する得体の知れない反発だ。

仕事はまじめにこなすのだが、時がたつにつれ、反発心が表面化してきた。

ある時、電話が鳴っているにもかかわらず、電話をとろうともせず、まして事務所で居眠りをしていたのだ。私が「どこか体の調子でも悪いの?」と尋ねると「眠たいから寝ているんです。それが何か」という感じだ。とても会社での会話ではない。

何か注意をすると怠惰と愚痴の繰り返しである。

この手のタイプはその場で注意をすると逆効果になることを私は本能的に知っていたので、しばらく様子を見ることにした。しかし、彼女の状況は悪化する一方でかなりひどい状況へと移行していった。私にまでくってかかる有様だ。

小企業にはこのような社員は多くいる。大手に勤める人には理解できないだろうが、このような人間が後に重要人物へと変身していくのである。

彼女は自分の周りの世界を呪っていた。「自分は世界一不幸で責任は社会にある」と信じていたのだ。一般的に「おちこぼれ」といわれるグループの共通の心理である。

私はそれから2年間彼女を観察した。よく2年間も我慢が出来たと思うが、彼女の「長所」を探していたのだ。そして、とうとう彼女の長所を発見した。


対人恐怖を最短で克服するための【KRTプログラム】                  劣等感の克服と潜在意識